私のスピードマスター“ファースト・オメガ・イン・スペース”には、愛すべき点がたくさんある。今回は、そのうちのひとつに焦点を当てよう。このスピードマスターは、ウォルター・シラー(ウォーリー)が選んだものであることが気に入っている。ウォーリーは、マーキュリー計画に参加した7人の宇宙飛行士の一人だ。彼は、3度宇宙に行った最初の宇宙飛行士であり、マーキュリー計画の単独飛行、2人乗りのジェミニ計画、3人乗りのアポロ計画という、NASAのみっつの月面探査計画すべてに参加した唯一の宇宙飛行士なのだ。
また、宇宙でスピーディを着用した最初の宇宙飛行士でもある。マーキュリー計画の準備のため、1962年に同僚の宇宙飛行士であるゴードン・クーパーとディーク・スレイトンとともにヒューストンへ時計を買いに行った。全員がスピードマスターを購入したのだ。
オメガ スピードマスター スーパーコピー311.32.42.30.13.001 50周年記念モデル ブラウン

型番 311.32.42.30.13.001
商品名 スピードマスター 50周年記念モデル
文字盤 ブラウン
材質 SS
ムーブメント 手巻き
タイプ メンズ
サイズ 42
付属品 ギャランティ(国際保証書)、純正箱 内箱、外箱
商品番号 om0360
それはNASAが公式認定時計としてオメガを採用する2年以上前のことだった。マーキュリー計画のフライトでは船外活動がないため、宇宙での使用を保証する時計は必要なかったからである。1962年10月3日、シラーがシグマ7号の宇宙飛行に出発したとき、彼の腕にはオメガのRef.2998が巻かれていた。
ウォーリーの選択は歴史に残るものだった。偶然にもこのフライト以降、1972年に月面探査計画が終了するまで、NASAのすべての有人宇宙ミッションにスピードマスターが搭載されることになった。シラーのフライトは、マーキュリー計画最後から2番目であった。有終の美は、1963年5月15日のゴードン・クーパーが飾った。クーパーも自分専用のRef.2998を着用していた(右腕にはブローバの電子時計アキュトロンを着用していた)。
1964年、宇宙飛行士が宇宙や月面で活動するジェミニ計画やアポロ計画に備えて、NASAは宇宙飛行士の標準装備として腕時計を用意した。そこでNASAは、5つのブランドのクロノグラフを入手し、テストを開始。2度にわたる厳しいテストの結果、合格したのはスピードマスターだけだった。1965年3月、スピードマスターはNASAのすべての有人ミッションの公式認定時計となった(オメガの広告によると、当時のスピードマスターは235ドルだった)。
シラーは、1965年にジェミニ、1968年にアポロで再び宇宙へ飛んだ。しかしオメガは、彼が時計史上(そしてもちろん人類史上)最大の冒険の先駆者であることを決して忘れなかった。
マーキュリー計画の飛行から50周年を迎えた2012年、オメガは彼に敬意を表し、“ファースト・オメガ・イン・スペース(FOIS)”を発表。これは、彼が所有していたRef.2998をアップデートしたものだ。1994年、オメガはこの時計をオークションで入手し、FOISのお手本として参照した。この新作は、1961年11月17日に製造ラインから出荷されたシラーの時計と同じブラックダイヤル、ブラックベゼル、アルファ針とバトン針、左右対称のラグを備えたステンレススティールケース、エンボス加工されたシーホースのケースバックを備えている。ケース内部には手巻き式のCal.1861が搭載されている。Cal.1861は、有人宇宙飛行に使用された独自の歴史を持つムーブメントだが、伝説的ムーブメントCal.321を搭載していたシラーのオリジナルの時計には搭載されていない。
シラーについて最後にひとつエピソードを紹介したい。彼は1969年7月1日にNASAの宇宙飛行士を退役した。
その3週間後には、もちろん世界中がテレビに釘付けになった。月面着陸の放送を見た人は、全世界で6億人と推定される。アメリカでは、5700万台のテレビのうち半数近くがCBSの中継を見ており、そのアンカーはあのウォルター・クロンカイトだった。しかしその隣には、もう1人のウォルター、CBSにアナリストとして採用されたウォーリー・シラーの姿があった。
アームストロングとオルドリンを乗せた月着陸船が月面に向かって降下していくとき、その緊張感はすさまじかった。数秒が数分にも感じられた。ついにアームストロングの穏やかな声が世界中に聞こえてきた。“ヒューストン、こちら静かの海基地。イーグルは着陸した” - クロンカイトは混乱した。彼は感情的になって、眼鏡を外して言った。“ウォーリー、私は言葉も出ませんので、あなたが何かコメントしてください”(月面着陸の瞬間のクロンカイトとシラーのやり取りは、動画の6分12秒あたりから見ることができる)。
その瞬間、カメラは言葉を失い感極まったシラーの姿を映し出していた。
2022年02月10日 登録